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森の葉っぱが、一枚二枚と地面に落ちぽこぽこ山にも、もうすぐ冬がやってきます。
冷たい風がぴゅーと鳴いています。
それでもおかまいなしで、
あらいぐまのぴーちゃんは、冷たい川の水でりんごを洗っています。
きれいな赤い色になるまで、なんどもなんども洗います。
「寒くないの?」
たぬきのふーちゃんがぴーちゃんに声をかけました。
「ちっとも!私は洗うのが大好き。
とってもきれいになるのよ」
「ぼくは嫌だな。水は冷たいし。
だいいち、もう十分汚れは落ちているよ」
体をぶるっと震わせてふーちゃんは答えました。
12月の水は誰にとっても冷たいはずです。
ふーちゃんはズボンのポケットに手をつっこんで、縮こまっています。
「ふーちゃんは、寒がりね。子供は風の子、元気な子!でしょ」
りんごをゴシゴシ洗いながら、ぴーちゃんは笑いながら言いました。
「見て見て、こーんなにきれいになったわ。まるで宝石みたい」
ふーちゃんはちらっと見ただけです。寒くて、話をするのも嫌な様子。
ぴゅう、ぴゅー。いちだんと強い風が吹きました。
ふーちゃんは身震いをすると、「寒さむ。帰ってこたつに入ろう」急ぎ足で帰っていきました。
「ふーちゃん待ってよ。一緒に食べようよ」ぴーちゃんが呼び止めても、スタスタと歩いて行ってしまいました。 ぴーちゃんは、残りのりんごもせっせと洗い始めました。
ピピッ、ピピッ。 3時のアラームが鳴りました。
「さあ、ふーちゃんのおうちでおやつにしよう」ぴーちゃんは、りんごを持って出かけて行きました。
「子供は風の子、元気な子!寒さなんかへっちゃらさ。」歌を歌いながら、ふーちゃんのおうちへ向かいました。
「ふーちゃん、おやつにしよう!」ぴーちゃんがドアの外から声をかけました。
「わーい、ありがとう。入って、入って」ぴーちゃんは、テーブルの上にりんごを並べました。
「私がむいてあげる」
そういうと、ぴーちゃんは皮をむき始めました。
ふーちゃんはお皿を用意します。りんごはきれいにむけました。
「さあ、食べよう!いただきまーす」
ふーちゃんとぴーちゃんは、おいしそうに食べ始めました。すると、
「ふーちゃん、お行儀悪いよ。左の手でお皿を持って食べるんだよ」ぴーちゃんが注意しました。
「左手なんか使わなくても大丈夫。上手に食べられるよ」ふーちゃんは、お皿の上に顔をつきだして右手だけで食べています。
左手はテーブルの下に置いたまま。
「ふーちゃん、かっこ悪いよ」ぴーちゃんがいくら言っても聞きません。
ふーちゃんは、いつも左手を使わないようです。不自由はないようですが…
おやつを食べ終えてぴーちゃんは帰って行きました。
「ぴーちゃんたらうるさいんだから。もう。左手なんか使わなくったって、上手に食べられるもん」ふーちゃんはそう言うと、ドアに向かってあかんべーをしました。
ふーちゃんは夢を見ました。お友達とごはんを食べている夢です。
あれっ、左手がない?どこへいっちゃったんだろう。
ぼくの左手どこ?みんなに聞きましたが、首を横に振るばかり。
みんなは左手でお皿を持って食べています。
わーん、わーん。ふーちゃんは泣いてしまいました。
お行儀よくするから、左手使うから戻ってきて!ふーちゃんは、大声で叫びました。
はっとして目をさますと、
「ぼくの左手!」ありました。ちゃあんとついていました。
「ああ、良かった。これからは、左手も使うよ。大人になったら、かっこ悪いもんね」
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